PyCon APAC 2024で発表してきた話 -発表編-

Posted by rhoboro on 2024-11-04

9月に東京で開催されたPyCon JP 2024、そして10月にインドネシアのジョグジャカルタで開催されたPyCon APAC 2024にスピーカーとして参加してきました。

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今回はわたしにとって初めての海外1、初めての英語での発表ということでわからないことだらけでした。 自分で色々調べたり、同僚や友人たちに助けてもらったり、現地で実際に経験し学んだことから次回に活かしたいことを備忘録としてとして残しておきます。

この記事は発表編として、PyCon JP 2024とPyCon APAC 2024での発表のために行ったことについてまとめています。 海外編はこちらで別の記事にしています。

きっかけ

PyCon APAC 2024への参加はわたしにとって初めての海外、初めての英語での発表でした。 わたしはもともと英語が苦手で海外への関心も薄いのですが、今回は次の事情で「海外渡航、海外イベントへの参加を経験するならいましかない!」と感じたため、思い切ってチャレンジしてみました。

  • インドネシアでの開催
    • わたしの所属しているRevCommは日本とインドネシアでサービスを展開している
    • 現地オフィスがあり、現地メンバーがいるので交流するチャンス
    • 万が一何かアクシデントが発生しても現地に頼れるひとたちがいる
  • キーノートスピーカーのひとりがAnthony Shawさん

今回わたしはPyCon JP 2024で「実例から学ぶ型ヒントの活用手法」というタイトルのトークを日本語で行い、PyCon APAC 2024では同じ内容を英語にして「 The power of Python's type hints: Case studies with a focus on well-known libraries)」というタイトルで発表しました。発表内容に関しては公式から録画がアップロードされると思うので興味のある方はそちらをご確認ください。

ざっくりとしたスケジュール

PyCon APAC 2024は偶然にもPyCon JP 2024のちょうど1か月後に開催される日程2でした。そのため、資料や内容に関してはPyCon JP 2024で完成させ、その後の1か月間はすべて苦手な英語に時間を使うようにしました。実際のスケジュールは次のとおりです。

  • プロポーザル提出時までに構成の大枠は決める
  • 8月から本格的な準備、資料作成
  • 9月18日: 社内で発表練習
  • 9月27-29日: PyCon JP 2024
  • 英語版に翻訳、ひたすら練習
  • 10月17日: 社内で発表練習
  • 10月25-27日: PyCon APAC 2024

ちなみにわたしは資料作成に時間がかかるタイプ3なので、資料が出来上がる前の9月18日あたりが一番きつかったです。

また、今回のPyCon JP 2024での発表は、英語版にすることを見越してスライドごとにすべて原稿を用意しました。実際の発表では日本語原稿の読み上げはしませんでしたが、スライドの切り替え時の話の持っていき方はいつも初回の発表練習で詰まるのでそのあたりの整理には役立ちました。

PyCon APAC 2024に向けた資料の準備

PyCon JP 2024が終わったら休む間もなく、英語版の用意に取り掛かりました。発表資料、原稿は用意していた日本語版をもとに作成しました。

英語での発表資料の作成も初めてだったので「主語や冠詞を省略する」みたいな基本はググって知りました。原稿は主に次の流れで用意しました。

  1. 日本語原稿
  2. 自分で大体同じ意味になるであろう英文に翻訳
  3. DeepLに入れて意図した日本語に戻るか確認
  4. さらに英語に戻して文法や表現を確認

原稿の添削は頼れる同僚がなんと一晩でしてくれました。オンライン英会話のレッスンを活用した添削依頼はスピードが出ずに悩んでいたので、これは本当に本当に助かりました。文法だけでなくエンジニア目線で言い回し、内容までフィードバックをしてくれたのはとても嬉しかったです。

PyCon APAC 2024に向けた発表練習

スライド、原稿が揃ったのであとは練習です。音声ファイルを用意し、ドライブしながらひたすら声に出して練習していました。

英語の音声ファイルはText-to-SpeechサービスであるAWS Pollyを使ってスライド単位で作成しました。このとき、自分が見る原稿とは別に下記の調整を加えた音声ファイル用の原稿も用意しました。

  • _.() を除去
  • dundermethod などの単語を追加
  • idIDにする、UUIDU U I Drhoboror-hoboroにするなど

最初の頃はスピードについていくことが難しかったです。そのため、再生速度をコントロールできるハヤえもんという音楽プレーヤーアプリを使い、慣れるまでは0.8-0.9倍速程度で練習していました。

正直に言って準備はとても大変でした4が、同じ箇所を簡単に繰り返し聞けるメリットは大きく、やる価値はあったなと思います。

わたしは家だとダラけてしまう性格ですが、コワーキングスペースやカフェなどでは声を出して練習することが難しいです。そのため練習は主にドライブしながら車のなかで行っていました。もともと近所のスーパーに行くのも住んでいる島を大回りして海岸線ドライブを楽しんでいるので、この時間を上手く活用できました。

PyCon APAC 2024当日の発表

所々言葉につまるシーンもありましたが、無事に発表が終わったので初めての英語での発表にしては及第点かなと思います。終わった後に質問しに来てくれたひともいて嬉しかったです。

talk after

ちなみにインドネシアのひとたちは音楽が好きなようで、ショッピングモール、飲食店、そしてPyCon APAC 2024の会場である大学(Universitas Nahdlatul Ulama Yogyakarta)でも生演奏が行われていました。セッション中はさすがに生演奏はなかったですが、それでもBGMは大きめだったようです笑

talk bgm

いろいろと初めての経験が多かったですが、1年前に立てた目標を無事に達成できて良かったです。 やると決めたチャレンジングなことを実際にやり切ることは大変ですが、その積み重ねが自信に繋がるなぁと改めて実感しています。 この記事はここで終わりとし、海外編では発表以外の部分にフォーカスしてまとめます。


  1. 厳密には昔社員旅行でグアムに行ったことがあるのですが、そのときは総務の方がすべて手配してくださっていたので自分はついていくだけ、現地でも常に同僚たちと行動していました 

  2. これは完全に偶然で、実際にPyCon APAC 2025は来年3月にフィリピンのマニラで開催される予定です。 https://pycon.asia/ 

  3. 頭ではまずは進めることが大事と分かっていても、同じ箇所を何度も反芻、推敲してしまって一向に前に進まないタイプ 

  4. 特にアプリに音声ファイルをインポートして正しい順にソートするところが1ファイルずつの作業が必要で面倒でした 

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